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NLP FAQ

NLP FAQ (頻繁に尋ねられる質問)

以下の 50 の「NLP FAQ (頻繁に尋ねられる質問)」は北岡泰典のメルマガ「これが本物の NLP だ!」の第 8 号と第 10 号で執筆紹介された NLP FAQ を編集したものです。(これらのニ号は 2 年前に書かれたものなので、 以下の内容は必要に応じて加筆編集されています。)

今後も、逐次 FAQ 質問の数を増やしていく予定です。


Q1: このメルマガ (「これが本物の NLP だ!」) は誰をターゲットにしているのですか?

A1: このメルマガの主ターゲットは、「NLP ハードコア」と定義しています。すなわち、NLP のパワーをすでに実感していて、NLP を自分の職業等に取り込んでいるプロフェッショナルな方々 (NLP のプロを含みます) です。このため、このメルマガに見られる説明の大部分は左脳志向の傾向が非常に強いものになっています。NLP をワークショップ等で実際に経験したことのない方々には、必然的に、理解が難しいかもしれません。

Q2: NLPの略語が意味する「Neuro-linguistic Programming、神経言語プログラミング」はどうしてこんなに難しい名称が付いたのでしょうか?

A2: しいて言えば、NLP の完全名称の「神経言語プログラミング」は、心的機能 (「神経」) と言語 (「言語」) の間の基本的関係と、その相互作用がどのように私たちの体と行動に影響するか (「プログラミング」) を解明することが NLP の目的であることを意味している、ということになりますが、実際には、それほど大きな意味合いはないと考えていいと思います。この名称は、1980 年くらいから使われ始めたようです。欧米では、特に「プログラミング」という響きに抵抗感が強く、次の FAQ にもあるような「洗脳」のイメージに結び付いているので、NLP が普及するための大きな障害になっているとも考えられます。(そのわりには、これまでの普及度は極度に高いと思いますが。) 北岡自身の経験では、日本では、この名称に対しては、欧米ほどの抵抗感はないようにも思えます。これは、おそらく、略語が好きな日本人が NLP という略語を聞いても、自動的に完全名称を日本語で思い浮かべることはないことが一つの理由になっていると思われます。

Q3: NLP は、結局は洗脳技法であり、感性とか感情とかを無視する極度にドライな方法論だと思いますが、間違っているでしょうか?

A3: NLP は、「自分が知っていることをどのように知っているか?」を問いかける認識論的アプローチに基づいていて、感性とか感情がどのように生まれるのかを考察しますが、ワトソンやスキナー風の行動心理学のように意識、感性、感情の存在そのものも否定することはありません。

つまり、NLP の観点から言うと、たとえばある人の触覚的 (いわゆる「体性感覚」やフィーリングを含む) 経験が規則によって支配されているかもしれないという事実は、その人がまさにその経験をもっていないということは意味するわけではありません。それとは逆に、その人が自分の経験が規則によって支配されていて、それをコントロールすることができることを知っている場合は、その人は、もしそう望むなら、さらにいっそう強烈に触覚的な経験をもつこともできるようになります。

Q4: NLP 共同創始者と共同開発者の違いは何ですか?

A4: 「NLP 共同創始者」は、ジョン グリンダーとリチャード バンドラーの二人です。「NLP 共同開発者」は、最も広い定義では、「NLPer」 (「エヌエルピア」と発音し、意味は「NLP 専門家」です) 全員を意味する場合もありますが (実際に、1995 年に北岡がバンドラーから「NLP トレーナー」の資格を取得した際、認定コース修了者は全員「あなたは NLP 共同開発者です」と記したカードを NLP 協会からもらいました)、最も狭い狭義の意味では、NLP 創始当時に共同創始者のまわりにいて、かつ NLP の開発を助けた米人 NLP トレーナーのグループを指します。たとえば、実質的に NLP ナンバー スリーのロバート ディルツ、同じくナンバー フォーのジュディス ディロージャ、『Therapeutic Metaphor』の著者のデイヴィッド ゴードン、『NLP: The New Technology of Achievement』の著者のチャールズ フォークナー、『王子さまになったカエル』等を編集転記したスティーブ&コニー アンドレアス夫妻、エリクソン催眠の研究者であるスティーブ ギリガン、元バンドラー夫人のレスリー カメロン バンドラー等の名前を挙げることができます。さらに、少し若い世代として、NLP の枠を越えて、特に米国と英国のビジネスマンのグルのようになっている感のある、『アンリミティッド パワー』の著者の米人アンソニー ロビンスの名前もここで言及できるかもしれません。北岡自身は、このうちこれまでに、いわゆる「NLP 四天王」の 4 人と面識があり、正式トレーニングを受けてきています。

英国の最近の NLP 共同開発者としては、英国に NLP を初めて紹介した米国女性のアイリーン シーモア、グリンダーの英国でのワークのプロモーターだったジュリアン ラッセル (この方はバートランド ラッセルの孫です)、ワークショップ トレーナーのジュディス ローエ、最近バンドラーと NLP 認定コースを共同開講しているマイケル ブリーン、『NLP のすすめ』の著者のジョセフ オコナーとジョン シーモア、ITS 代表のイアン マックダーモット、一連の共同ワークショップを開講しているペニー トンプキンスとジェームズ ローリー、その他がいます。北岡は、ここに言及された英国の NLP 共同開発者全員と面識があるか、過去の NLP 四天王のトレーニングに一緒に参加した間柄ですが、一般的に言って、英国の NLP 共同開発者は「米国生まれの NLP」の英国での「紹介者」にとどまっているような印象が拭いきれません。この状況は、NLP が普及している英国以外の国々でも、おそらく同じだと思われます。

他に特記すべき、北岡が直接面識のある NLP 共同開発者としては、北岡がそのトレーニングを受けた、ビジネス向けワークショップ トレーナーの米人女性のララ ユーイン、NLP と教育に関する『メタケイション』の著者のシッド ジェイコブソン、NLP ユニバーシティのゲスト トレーナーであるスージー スミス、1980 年代にグリンダーと親しかった英人トレーナーの、今は亡きデイビッド ガスター、2000 年以来毎年夏に京都で開講されてきている日本人向け法人ワークショップで北岡が共同トレーナーとしてトレーニング サービスを提供している米人 NLP トレーナーのジョセフ リジオ (彼は、ジョゼフ キャンベルに基づいた自己啓発系のワークショップも開講しています)、1988 年当時北岡がその催眠と「イナー チャイルド (内なる子供)」を組み合わせたワークショップに参加して、そのユニークな催眠技法に驚いたニュージーランド人のデイヴィッド グローヴ、1988 年にグリンダーのトレーニングに一緒に参加して以来の北岡の友人で、現在は東京中野区で定期的に、NLP/合気道/整体/催眠を組み合わせた「精心道」ワークショップを開講している米人トレーナーのチャーリー バーデンホップ等がいます。

Q5: 「NLP 四天王」と言われている 4 人は、それぞれどういう人ですか?

A5: ジョン グリンダーは学者肌で (実際に変形生成文法の言語学者です)、物腰の柔らかい方で、NLP の理論的な開発に大いに貢献しました。1980 年代後半に、北岡がグリンダーとジュディス ディロージャのワークショップ (「個人的な天才のための必須条件」)、NLP 資格コースに参加したとき、グリンダーの「知的な」認識論的議論の「切れ」にはかなり驚きました。その年 (1988 年) と翌年に、カリフォルニア州サンタクルーズでグリンダーとディロージャ主催の NLP プラクティショナー コースとマスター プラクティショナー コースを受講し、認定されましたが、まさにそれは「マジカル タイム」の経験でした。グリンダーは、現在は、カルメン ボスティックという女性トレーナーとパートナーを組んで NLP ワークを続けています。北岡はグリンダーと今も交流があります。1940 年生まれの 63 歳です。北岡は、グリンダーを最高の NLP 理論家と見ています。

(なお、2005 年、北岡は、NLP 創始以来 30 年間来日することのなかった NLP 共同創始者として、グリンダー氏を日本に招聘することに成功し、グリンダー氏は、3 月に日本 NLP 学院主催のプラクティショナー/マスター プラクティショナー合同コースでトレーニングを行い、また、3 月 21 日には、東京ビッグ サイトで共同トレーナーのカルメン ボスティック サンクレア女史とともにビジネス向けワークショップ、「NLPリーダーシップで才能を開花させよ」を開講されました。2006 年以降も、グリンダー氏は、日本英国学院のトレーナーズ トレーニング コースや NLP 創始者からの認定書が発行される NLP コーチング コース等を開講する目的で来日する予定になっています。)

リチャード バンドラーは、NLP 創始時には数学者でした。ロックンロールのミュージシャンでもありました。グリンダーとは対照的に、いわば派手な「ショーマン」という印象があります。トレーニング時にも、歯に衣を着せない形でストレートに物を表現します。非常に直感的な天才と形容されることもあります。1995 年には、ドイツで開講された認定資格コース中、北岡はバンドラーと一連の個人的な会話をもちました。最近の彼のワークは、サブモダリティと催眠誘導に基づいています。1950 年生まれの 53 歳なので、25 歳で NLP を創始したことになります。北岡は、バンドラーを最高の NLP 実践家と見ています。

ロバート ディルツは、非常に腰の低い方で、根からの研究家という印象です。彼は、多くの重要な NLP 個人編集テクニックの考案者です。非常に多筆家ですが、その著書の内容はかなり左脳志向なので、これが、その著書の多くがまだ日本語に訳されていない理由であるのかもしれません。北岡は、ディルツを最高の NLP テクニック考案者と見ています。

ジュディス ディロージャは、文化人類学者、ダンサーです。そのワークは直感的で、「ソマティック (身体的)」な局面を非常に重要視するトレーナーです。1980 年代は、グリンダーとパートナーを組んでいましたが、現在はディルツとともに NLP ユニバーシティを運営しています。最高の NLP 直感者と言えます。

Q6: 現代心理学における NLP の位置付けを知りたいのですが。

A6: 西洋心理療法の一応すべての学派を過去に経験的に見てきた北岡の意見では、セラピーにおいても、一般心理学においても、20 世紀後半以降の学派として、NLP ほど体系だった、かつ、実際的な効果を発揮させる学派は存在しないと思います。北岡の知り合いのある NLP トレーナーに言わせると、NLP 以降、場合によっては NLP 以上に速い療法的効果を発揮できる、「メリディアン」 (経絡、いわゆるツボのことです) を活用する EFT (エモーショナル フリーダム テクニック) という学派があるということですが、純粋にいわゆる「理知的」あるいは「認知的」な学派としては、NLP の療法的効果がもっとも速いと思われます。セラピーにおいては、最近「家族の座」という学派が普及してきていますが、学問の体系度は NLP の方が深いと思われます。(なお、家族の座の創始者であるバート ヘリンガーは、自分のワークは NLP テクニックに基づいている、と公言しているようです。) ビジネス面で現在普及してきているコーチング、メンタリングと比べても、NLP の方がより大きな学問体系になっていると思われます。

ちなみに、北岡は、個人的には、この 21 世紀の「情報グローバル コミュニケーション」の時代を成功裏に生きていくために、理想的には、いわばコンピュータの場合の OS のように機能する 3 種類の技能を基礎教養として身に付けておく必要があると考えています。これらは、「情報」を処理するために必要になるコンピュータの GUI (グラフィック ユーザー インターフェース) 操作、「グローバル」であるための語学力、特にインターネット言語である英語力、「コミュニケーション」技能を高めるための NLP です。これらの 3 つの領域は、「インターネット、英語、NLP」と言い換えることもできます。北岡自身、これら 3 つの分野の能力を意識的に獲得してきていますが、これら以外に北岡がもっている専門エリアでの北岡のこれまでの学習習得度を飛躍的に向上させてきています。また、北岡の経験では、これら 3 つの「基礎教養」技能における学習習得/加速法の規則がまったく同じであることを個人的に発見しました。この「普遍的」学習法則は、本メルマガの第 5 号、『北岡式学習加速法』で詳述してあります。

Q7: なぜグレゴリー ベイトソンとミルトン H エリクソンが「NLP の父」と呼ばれるのですか?

A7: NLP の理論的背景としては、本メルマガの第 3 号で指摘したように、17?18 世紀のイギリス経験論に基づいたバートランド ラッセルの認識論を継承したグレゴリー ベイツン (国内では、Bateson はこれまで慣用的に「ベイトソン」と音訳されてきているようですが、北岡の 15 年以上に渡る欧米での実地の NLP 経験では、NLP トレーナーは例外なく皆「ベイツン」と発音していますので、北岡もあえて「ベイツン」と呼ぶことにしています)、さらには、「NLP の兄」と言ってもよいパロ アルト グループがいなければ、NLP は生まれていなかったでしょう。

また、ベイツン式認識論に基づいた NLP のテクニックとモデルの観点から言えば、NLP 創始当初エリクソン催眠法に関して行った 2 人の NLP 共同創始者の徹底的研究が NLP 方法論のさらなる発展に非常に重要な役割を果たしています。

これらの意味で、これら二人の偉人は、NLP 誕生のために不可欠の存在だったので、「NLP の父」と呼ばれています。ある意味では、ベイツンは NLP の左脳志向の理論面、エリクソンは右脳志向の直感的体験面を代表しているとも言えます。

Q8: バンドラーとグリンダーが裁判で争っていたというのは本当ですか?

A8: バンドラーとグリンダーは、北岡の理解では、1980 年初頭以降、お互い別の道を歩み始めましたが、約 10 年前頃からバンドラーが NLP は自分自身が創始したものであると主張して、グリンダーを含め数人以上の NLP トレーナーを裁判で訴え、損害賠償を求めていました。結局は、NLP はすでに 20 年以上に渡って公けになっている公開情報/技術であるので、一人の人間が現時点で独占所有することはできないという理由で、バンドラーは敗訴しました。2001 年発行のグリンダー著の『Whispering In The Wind』の最終ページには、お互い NLP 共同創始者として相互の貢献を認め合い、互いの努力を尊重し合うといった意味のグリンダーとバンドラー二人の署名入り和解書のファクシミリ コピーが載っています。

Q9: NLP には商標登録 (「TM」または「R」マーク) されたテクニックがありますか?

A9: バンドラーがグリンダーを含め数人以上の NLP トレーナーを訴えた裁判で仮にバンドラーが勝訴していれば、NLP テクノロジーはバンドラーの知的所有物となり、世界中の人々は NLP を言及する際、「NLP TM」という風に商標を示す「TM」を必ず「NLP」の後に付ける必要があったかもしれませんが (事実、裁判を起こしていた当時、バンドラーは人々に「NLP TM」と「TM」を付けるように奨励していました)、彼は敗訴したので、現在、NLP は商標登録の対象になっていません。

ただ、NLP のテクニックの一部をそのテクニック考案者が商標登録しているケースはあります。たとえば、『タイム ライン セラピー』はタッド ジェームズによって商標登録 (Registered Trademark) されていて、『コア トランスフォーメーション』はタマラ アンドレアスによって商標登録されています。ただ、北岡の見るところ、これらのテクニックは NLP のごく一部を構成しているにしかすぎず、商標登録してまで保護されるべきものかどうかは議論が分かれるところだと思います。

Q10: NLP はどうして学界的に主流の学問になっていないのですか?

A10: NLP は、70 年代初期に、カリフォルニア大学サンタ クルーズ校 (UCSC) でクレスゲ カレッジの教授であったグレゴリー ベイツンの下にいたジョン グリンダーとリチャード バンドラーによって共同創始されたにもかかわらず、学会を組織することで学問的に自立する道を辿ってきていない事実は非常に興味深いものです。確かに、 当時は、西海岸のカウンター カルチャー全盛期で、NLP の共同創始者自身、意識的に学問の主流に入らす、代替の道を選んだように思えますが、北岡が見るところ、NLP は通常の科学の場合のように、まず初めに仮説を立てて、その後でその仮説の妥当性を確認する目的で実験するといういわゆる「科学的」な方法論的手順は取らず、その逆に、仮説をいっさい立てることなく、まず現実を注視、観察、実験した後、現実でうまく機能する方法論だけを発見、確立し、その後で初めて左脳志向の理論付けを行うという方法論的手順を取っているので、このことが、NLP が伝統的な意味での学問として成立しない、あるいは、成立しえない一番大きな理由になっていると思います。(実際、グリンダー氏が 2005 年 3 月に NLP 共同創始者として初来日したときに、北岡が直接グリンダー氏に「1975 年当時、カリフォルニア大学サンタクルーズ校で言語学を教えていたわけですから、どうして大学の枠組みを使って、NLP を学問的体系として伝えようとしなかったのですか?」と質問したとところ、「その選択肢は、当時問題外だった。 もし大学の枠組みの中で体系付けようとしたら、既存の心理学派すべての制約と限界を受け入れる必要があったが、その条件下では、NLP は絶対生まれえなかった」という趣旨のお答えをいただきました。)

個人的には、象牙の塔に篭ってしまう、「耳年増」の学者の理論よりも、生きた現実のレベルで行動の変化を達成してしまうプラグマティズム (実用主義) の権化である NLP モデルの方が、比較不可能なほど価値が高いと思いますが、北岡自身の過去のあるワークショップで、参加者から「もしどこかの大学で NLP の効果が統計的に証明された学術論文があれば、それをまず見せてください。(そういう権威的裏付けがあれば) そのとき初めて私たちは NLP を信じて受け入れます」という発言を受けて驚愕したことがあります。北岡にしてみたら、この参加者の方々は、「自分が現実に目で見ている実際起こっていること」 (NLP 演習での実際の経験) よりも「机上の空論」であるかもしれない統計の方を信じて、自分自身の五感による経験の妥当性の検証作業の努力を初めから放棄しているように写りました。

Q11: NLP の世界的な統括団体は存在しますか?

A11: NLP を統括する世界的な団体はありません。各国の国内規模では、興味深いことに、米国には大規模な団体は存在していなくて、英国とドイツの団体が大きいようですが、世界共通語の英語を使うという理由から英国の「英国 NLP 協会 (ANLP、The Association for NLP in Britain)」が一番権威があるように思われます。この団体には、遠く香港や南アフリカの海外会員も多くいます。会員の条件は NLP プラクティショナー以上です。北岡は過去 15 年間この協会の会員ですが、確か 3 年前の会員数は約 2,000 名だったので、現在は 3,000 名を越えているかもしれません。

ちなみに、NLP は、ラテン系、旧東欧国のヨーロッパ、さらにはロシアを含めてかなり普及していますが、なぜかポルトガルではいまだに NLP のトレーナー数は極めて小数のようです。同じポルトガル語を話すブラジルでは NLP が広く普及しているだけに、これは非常に興味深い事実だと思います。ちなみに、北岡が開講する NLP コースの一部をテイクケアしていただく予定になっているリタ ベロさんは英国で生まれ、育ったポルトガル人の NLP マスター プラクティショナーです。

Q12: NLP の認定資格には世界的に統一された規格制度が存在していますか?

A12: NLP 創始以来、NLP 認定資格は伝統的に「プラクティショナー」、「マスター プラクティショナー」、「トレーナー」の種類が存在し (場合によっては「マスター トレーナー」も存在します)、原則的にマスター プラクティショナー以上のトレーナーが自分自身の責任で資格認定を行ってきています。(合気道の二段の人が弟子に二段を与えることができないように、マスター プラクティショナーの資格はトレーナー以上の資格の持ち主でないと与えられないのは、論理的帰結です。) 世界的に一本化された認定規格制度は存在していません。たとえば、北岡のプラクショナー、マスター プラクティショナー認定書は 1988 年、1989 年当時のグリンダーの主催団体の「GDA (Grinder, DeLozier & Associates)」発行ですし、北岡の 1995 年のトレーナー認定書はバンドラー主催の「NLP 協会 (The Society of NLP)」発行で、2002 年のトレーナー認定書はディルツとディロージャ主催の「NLP University」発行です。

北岡の見るところ、統一された認定制度が存在していないので、認定書はどの団体によって発行されたか、よりもむしろ、その認定書に署名した NLP トレーナーがどれだけ NLP 業界の他のトレーナーに認められているか、といった要素の方がより重要になってくると思います。

ちなみに、よく知られた NLP 資格認定団体としては、米国では、バンドラーの NLP 協会、ディルツとディロージャの NLP ユニバーシティ、および狭義の NLP 共同開発者の多くが関与している NLP コンプレヘンシブがあります。(グリンダーは、個人の名前で資格認定をしているようです。) 英国では、ジュリアン ラッセルが主催していた PPD、イアン マックダーモットの ITS 等の資格認定団体があり、さらに、バンドラーがここ数年来、(北岡と 15 年来の知り合いである) マイケル ブリーンと世界的に有名な舞台催眠師のポール マッケナと共同で資格認定コースを開講してきています。

Q13: NLP のどの資格を取得すると NLP トレーナーとして自立できるのですか?

A13: もちろん、NLP トレーナーとして自立できるかどうかは資格以上に、その本人の資質、力量、経験によると思いますが、たとえば、プラクショナー資格だけを取得して、即 NLP を教え始めるということは、不可能ではないと思いますが、少し無理がありすぎると北岡は個人的に考えます。

北岡は、この点に関して本メルマガの第 6 号で以下のように書かせていただきました。

「少なくとも欧米の NLP 業界について言えば、NLP プラクティショナー資格認定コースは、上記の比喩で言う地下鉄の各駅の詳細 (NLP の各モデル) について、それぞれ対応した演習とともに個別に学習習得するためにあり、マスター プラクティショナー資格認定コースは、プラクティショナー コースで個別に習得した各駅 (各モデル) 間の有機的な関連性を学習体感して全体のネットワーク (全体像) に熟知するためにあり、トレーナーズ トレーニング資格認定コースは、全体のネットワークと個別の各駅 (各モデル) の両方のレベルについて、高度な熟知/習得度を達成するためにある、と見なすことができるかもしれません」

Q14: どうして NLP は 70年代にカリフォルニア サンタクルーズで生まれたのでしょうか?

A14: NLP が 70年代にカリフォルニア サンタクルーズで生まれたのは、必然であったと思われます。当時西海岸は、サンフランシスコで生まれたヒッピー文化の後を継いで、カウンターカルチャー、催眠/瞑想/ドラッグ等による変性意識の実験が最盛期を迎えていました。サンフランシスコやサンタクルーズの地域に当時いわゆるわけのわからない学派が無数に存在していたと思いますが、統計的な確率の観点から見て、その無数の偽物じみた学派の中で「たまたま」一つか二つ本物の学派が生まれても何ら不思議はなかったと思いますが、まさしくその砂漠の中の一粒の砂のような本物の学派が NLP だったということになると思います。また、なぜ NLP が本物でありえたかの大きな理由として、その理論的背景に 20 世紀の偉人、ベイツンがいたことが挙げられると思います。

Q15: NLP の父の一人であるベイトソンの現代思想への影響はどのようなものがありますか?

A15: グレゴリー ベイツン (上述の理由から「ベイツン」という発音転記が使われています) のプロフィールについては、このメルマガの第 3 号に書きましたが、彼の、いわゆるニュー エージ シンカーに対する影響は絶大なものであるように思えます。

すなわち、「ニュー サイエンス」の代表的な科学者/思想家に、『タオ自然学』のフリッチョフ カプラ、『生命潮流』のライアル ワトソン、形態形成場のモデルを提唱した『生命のニューサイエンス』のルパート シェルドレイク、ホログラフィー理論を提唱した現代物理学者のデビッド ボーム、脳科学者のカール プリブラム、散逸構造論を提唱してノーベル賞を受賞したイリア プリゴージン、人工知能の研究者のフランシスコ ヴァレラ、組織学習の大家で『最強組織の法則』 (この原書の「The Fifth Discipline」は欧米ではベストセラーになった本ですが、国内では邦訳はほとんど売れなかったという情報をどこかで読んだことがあります) のピーター センゲ等がいますが、これらの思想家のほとんどがベイツンから直接的、間接的な影響を受けていると言っても過言ではないと思います。

なお、英国に生まれ、晩年は米国カリフォルニアで過ごしたベイツンを生み出した英国の認識論的背景は、バートランド ラッセルとアルフレッド ホワイトへッド (共著に『数学原理』があります) を経由して 17?18 世紀のロック、バークリー、ヒュームの「イギリス経験論」まで遡りますが、この点については、北岡のメルマガの第 3 号で言及されています。

Q16: NLP と催眠の関係を教えてください。

A16: NLP の父二人のうちの一人が世界で最も権威があるとされている催眠療法医のミルトン H エリクソンであったという明白な事実から見ても、NLP と催眠の間には非常に密接な関係があります。さらに、1975 年に出版された最初の NLP 書である『魔法の構造、第 1 巻』、さらには、1975 年出版の『ミルトンH エリクソンの催眠パターン、第 1 巻』、1976 年出版の『家族との変化』では、それぞれ、ゲシュタルト療法の創始者のフリッツ パールズ、エリクソン、家族療法の権威の一人のバージニア サティアの 3 人の天才の「療法の魔法使い」をモデル化した事実から、NLP は当初は心理療法の新しい代替学派として生まれたと見なすことも可能です。ただ、北岡の見るところ、1980 年頃から、さらに一般的な適用性のある「コミュニケーション心理学」の完全な方法論に変容していきました。

この NLP の変容は、別の観点から言うと、NLP 共同創始者は当初、エリクソンが得意とした「夢遊病者」的な深い催眠状態で達成可能な療法的効果をモデル化 (すなわち、学習可能な一式のツールとしてパッケージ化) しましたが、その後、必ずしも深い夢遊病者的催眠状態を使わなくても、それと同じ程度以上の療法的効果を日常的に発生する普通のごく軽い「トランス (変性意識状態)」を利用して達成できることを発見した過程を反映しているように北岡には思えます。NLP の個人編集テクニックは、まさしくこの軽いトランス状態を活用した演習です。

Q17: NLP と瞑想の関係を教えてください。

A17: NLP には、『個人編集テクニック』と呼ばれるツールが一定数用意されていますが、これらの演習テクニックの実践者が演習を通じて経験することの最重要な「副産物」として、実践者が今までまったく見落としていた、整体療法家のモーシェ フェルデンクライスのいう「捉え難い明示性 (The elusive obvious)」である、いろいろなことにいろいろなレベルで気づき始めるということが起こります。

この「気づき」は、通常、瞑想者が観察力を付けて瞑想を深めるにつれて獲得されるものですが、ある意味では、NLP では、その気づきが、瞑想の場合よりももっと体系的に、もっと速く起こり始めると言っても間違いではありません。

なお、NLP 演習の中には「メタ ポジション」という、瞑想の際に最重要となる「観照者 (Witness)」のポジションに匹敵するモデルがありますが、このポジションを含む各 NLP 個人編集テクニック演習を行うことにより、「観照者」をもち続ける能力が間接的に (しかし飛躍的に) 強化されることが北岡のワークの中で実証されてきています。

Q18: NLP と心理療法の関係を教えてください。

A18: 上記の A16 にもあるように、NLP は当初は心理療法の新しい代替学派として生まれた。北岡自身、約 20 年前に約 1,700 時間以上の心理療法セッションを受けましたが、幼児期以来悩んでいたトラウマを完全解消することはできませんでした。その後、トラウマ完全解消を可能にしてくれたのが NLP でした。この過程、および NLP と心理療法の決定的な違いは、本メルマガの第 4 号を参照してください。

Q19: NLP で極度のトラウマを解消することは可能ですか?

A19: 北岡自身の経験では、NLP による極度のトラウマの解消は可能です。この過程は、一定数の NLP 『個人編集テクニック』を持続的、反復的に実践していくことで達成されえます。この点に関しては、本メルマガの第 4 号でさらに詳細に述べています。

Q20: NLP モデリングの過程は一式の学習可能な手順として明示化されていますか?

A20: NLP モデリングの方法論の過程そのものは、NLP 文献で一式の学習可能な手順として明示化されてきていないと思います。ただ、含蓄的な意味では、『他の人のストラテジー引き出し』や各 NLP 個人編集テクニックの手順と過程自体がモデリングの方法論を使っていると言えなくもありません。

ちなみに、本メルマガの第 5 号の冒頭で、グリンダーが、NLP の創始以来 NLP の適用例しか存在していないことを憂えていたということを書きましたが、彼の最近の著作である『Whispering In The Wind』等では、グリンダーは、NLP 専門家が一度「初心」に戻って、再度モデリングの作業過程を一式の学習可能な手順として明示化する (すなわち、モデリング過程のモデリングする) ように奨励しているように思われます。

ただ、グリンダーとバンドラーが 30 年前に達成したことを、NLP 専門家はこれまで明示的にモデリングしてきていないので、仮にもしグリンダー (または他の NLP トレーナー) が「モデリング過程のモデリング」を明示化したとしても、残念ながら、今後そのモデリングのレベルを超えていく (「モデリング過程のモデリングをモデリングする」) 人々が出てくるとは考えにくい点もあります。

なお、北岡は個人的に、無意識的モデリングと定義される DTI (ディープ トランス アイデンティフィケーション) をともなったモデリングを大文字の「Modeling」と呼び、ある人の内的表出のストラテジー (表出体系の順序だて) を引き出す際等に使われる意識的モデリングを小文字の「modeling」と呼ぶことがあります。

Q21: NLP は「メンタル合気道」と呼ばれているのですか?

A21: 少なくとも、1980 年代後半にグリンダーとディロージャが共同ワークをしていたとき、心理的なホーリスティック ワークである NLP を補完するための身体的ホーリスティック ワークとして、フェルデンクライス メソッドまたは合気道の「課外授業」が二人が開講したコースまたはワークショップで行われていました。(北岡の友人のチャーリー バーデンホップも、グリンダーとディロージャのコースの課外授業で合気道を教えた、と聞いています。) 特に (身体的な) 合気道と対比して、NLP は当時「メンタル合気道」と呼ばれていました。

Q22: NLP で英語力を飛躍的に伸ばすことは可能ですか?

A22: 北岡自身、学生の頃から語学が得意で、たとえば大学の学士論文をフランス語で書くほどの実力を付けていました。過去 20 年近い欧米生活の後、北岡は、フィジカル ハンディーキャップにもかかわらず、書く/話す/読む/聞くの総合的な英語力では、おそらく最高レベルと思われるような力を付けてきています (現在フランス語の方は大分鈍っていますが)。日本では、このように自分のことを自慢すると人から嫌われるので気を付けるように、とある人に言われましたが、しかし、この「自慢」は、北岡自身の能力の自慢のつもりでは毛頭なく、元々得意だった学習エリア (北岡の場合は語学等いくつかあります) を NLP を使ってどれだけさらなる学習加速化を達成してこれたかを読者の皆さんにお伝えしたかったためだけです。

ですので、この FAQ に対する答えは、「NLP で英語力を飛躍的に、しかも短時間で伸ばすことは可能です」です。

ちなみに、この、北岡自身の NLP による語学力の学習加速化と完璧化の過程を基に、これまで、コンピュータ ソフトを使った「北岡式英語力加速法 CD-ROM プロジェクト」を企画してきていて、すでに北岡自身のアイデアの特許申請も終わっていて、特許内容も公開されています。

プロジェクト遂行には資金面の要素もあるのですが、読者の方々でこのようなプロジェクト共同参加に興味がある方もいらっしゃるかもしれない、とも思っています。

Q23: 「新コード NLP」と言われているものは何ですか?

A23: 北岡の知る範囲では、「新コード NLP」という言葉は、1980 年代後半にジョン グリンダーとジュディス ディロージャが開講した一連の『個人的な天才のための必須条件』ワークショップで使われ始めたものです。

グリンダー氏の定義によれば、いわゆる「古典コード NLP」には、1) 求める状態、リソース、今までの行動に取って代わる新しい行動等を選択する責任がクライアントの (無意識ではなく) 意識に与えられている、2) リソースまたは今までの行動に取って代わる新しい行動の選択に関して、枠組みとなる制約が課せられていない、3) クライアントの無意識の明示的関与がない、といった欠点があり、これらの欠点を克服するために「新コード NLP」が開発されました。

北岡の意見では、「新コード NLP」の最大の特徴は、(1) ゲシュタルト セラピーが伝統的に使っていた「スペース ソーティング」 (いわゆるロール プレーといってもよいもので、フロアにマーキングして、実際に身体を動かしていくつかのフロア上のスポットを移動して回ることです) の活用、(2) 知覚ポジションのモデルの導入、および (3) そのスペース ソーティングと知覚ポジションに基づいた一連の「NLP 個人編集テクニック」の演習実践の多用、の 3 点に集約されると思われます。

なお、2006 年以降、グリンダー氏は、日本英国学院のトレーナーズ トレーニング コースや NLP 創始者からの認定書が発行される NLP コーチング コース等を開講する目的で、共同トレーナーのカルメン ボスティック女史と来日する予定になっています。これらのコースは、新コード NLP がベースとなっています。

Q24: 「NLP 百科事典」というものがあると聞きましたが、これはどういうものですか?

A24: 1980 年に NLP 四天王 (グリンダー、バンドラー、ディルツ、ディロージャ) は『神経言語学プログラミング、第 1 巻』を発行し、その続巻が予定されていましたが、(グリンダーとバンドラーのパートナーシップが解消されたのが一番の大きな理由だと思われますが) その後の巻は出版されませんでした。ディルツとディロージャは、この未完プロジェクトを完遂するために、2000 年に『体系的 NLP と NLP 新コーディングの百科事典』全二巻を NLP ユニバーシティから出版しました。装丁の形式は『NLP 第1巻』と非常によく似ていますが、サイズは A4 の大きさで、各巻 800 ページ、計 1,600 ページの大書です。持ち運ぶこと自体大変です。

内容としては、主に、ディルツとディロージャの書下ろしと、四天王著のすでに出版済みの NLP の文献の再録から成り立っていますが、これを読めば、NLP のすべてではないにしても全体像が見えることは明らかです。

北岡自身、この NLP 百科事典を翻訳する意図はありますが、出版を引き受けれる出版社があるかどうかは微妙に思えます。

Q25: 表出体系とは何ですか?

A25: 「表出体系」とは、NLP 基本的モデルである 「Representational System」 (場合によっては「Rep System」とも略されます。発音は「レップ システム」です) の訳語ですが、これは視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感の各知覚体系に対応するものです。

国内では、この NLP 用語は従来「代表体系」または「代表システム」と訳されてきているようですが、北岡は、個人的にはこれは誤訳だと考えています。なぜならば、「represent」には大きな意味として「代表する」と「表す」の二つがあり、このうち、「代表する (= 代わって表す)」とは、日本語では、国会議員が選挙区の有権者を「代表」して国政を司る、という意味で使われますが、五感の経験の各カテゴリ (あるいはモダリティまたは様式) を示す「Rep System」という語自体は、その各カテゴリ内の経験内容はもとより、何も「代表」してはいないからです。(たとえば、「味覚体系」という語自体は、ある個人の内的な味覚体験の要素すべてを「含有」しているとは言えても、選挙区有権者を代表している国家議員の場合のように、それらの要素すべてを「代表」していると言うことはできません。このことは、選挙区有権者もそれを代表している国会議員も同じ人間である一方で、味覚体験の要素すべてとそれを含有している味覚体系は同じ論理タイプにはないということを確認することで、明らかになります。) この「Rep System」は、むしろ、単純に、五感知覚体系の各内的体験を表しているという意味で、「表現体系」、「描出体系」、あるいは「表象体系」であるというふうに理解するべきだと考えます。

(最近、北岡は、ある NLP の原書本で「a visual representer」という言葉に出会いましたが、この言葉を仮に「視覚的表現者、描出者、表象者」と訳することができたとしても、「視覚的代表者」とは訳せないことからも、上記の論理は擁護されています。)

しかし、残念ながら、「Rep System」のこれらの 3 つの訳はすべて日本語にあまり馴染まないように聞こえるので (そのためにこそ、「代表体系」という訳語がこれまで定着してきているのかもしれません)、北岡自身は「表出体系」という訳を使ってきています。「表出」はあまり見かけない日本語であるように思われ、また、各英和辞書には普通「Representation」の訳として「表出」は挙げられていませんが、学研の「スーパーアンカー英和辞典」 (北岡自身、旧版の「アンカー」を以前ぼろぼろになるまで使ったことがあります) にはこの訳語が見つかります。一方で、広辞苑では、「表出」は、「(1) 精神活動の動きが外部に表われること。表情・呼吸運動・筋肉運動・腺分泌の変化など。 (2) 表現に同じ。『感情の―』」と定義されています。確かに、厳密に言えば、広辞苑のこの定義の「表情・呼吸運動・筋肉運動・腺分泌の変化など」の部分は「Rep System」の本来の意味とはずれるかもしれませんが、しかし少し意味を広げて、「表出体系は、NLP の『眼球動作パターン (Eye Scanning Patterns)』、『優先述語表現 (VAK Predicate Preference)』等によって外部に表われる (= 表出される) 各五感ごとの精神活動の動きからなる各体系である」と定義することも可能であると考えられるで、今後北岡の NLP 関連の著作では、「Rep System」の訳語として「表出体系」を使っていきたいと思っています。

いずれにしても、もともと、NLP 業界で「Rep System」とは言わず、ごく日常語の「Sensory System (知覚体系)」を使ってもよかったのでしょうが、一つの体系が独立した体系として自己主張し、自立していくためには、一定数の、このような「業界用語」を創出せざるをえなかったのは無理からぬことだと思います。

Q26: NLP の一番重要なテクニックは何ですか?

A26: NLP の一番重要なテクニック/モデルは「アンカーリング」だと思います。この点に関しては、本メルマガの第 10 号を参照してください。

Q27: どうして NLP の一番重要なテクニックは「ラポール」ではないのですか?

A27: 確かに、コミュニケーションで一番重要なことは、対人コミュニケーション技能の向上、すなわちラポール技能の向上、ということになるのかもしれませんが、その一方で、NLP では、究極的な意味では、私たちが真の意味でコントロールできるのは自分自身の内的状態だけであるとされています。この観点から言えば、対人コミュニケーションの向上、コントロールは、「アンカーリング」等を使って自分自身の内的状態をコントロールすることができた後にだけ可能であるということになります。

Q28 : なぜ 1 回で確立されると言われているアンカーリングの効果が時間とともに薄れてしまうことがあるのですか?

A28: この質問は、北岡が現在開講している NLP プラクティショナー コースの参加者から出されました。北岡とコース参加者全員のやり取りの中から以下のような可能性としての原因が対話的に特定されました。

1. 最初にアンカーリングを確立する際に雑音が入る:

これは、当初アンカーリングを確立する際に、いわゆる「雑念」が入っていれば、純粋な内的体験をアンカーリングすることができない、という意味です。通常、アンカーリングを確立する際は、その対象となる過去の体験と充全にアソシエートしながら (つまり、自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分の肌で感じながら) 行う必要があります。

2. アンカーリングを確立した文脈以外でそのアンカーリングを起動しずらい:

通常、たとえば、NLP ワークショップが開講されている部屋の中という」文脈で特定のアンカーリングが確立されますが、本人が外の「現実」の他の文脈でそのアンカーリングを起動することが難しい、または起動すること自体を忘れてしまっている場合があるかもしれません。これを克服するには、いろいろな文脈でもアンカーリングを起動できるように意識的に「自己訓練」する必要があると言えます。

3. アンカーリングを確立するタイミングが不適切である:

当初アンカーリングをかける際、当人の中で起こっている内的体験が強くなり始めたときにその体験をアンカーと関連付け、その体験がピークを超えた直後くらいまでそのアンカーを維持する必要があります。このタイミングは各自、ある程度までは経験則で学ぶ必要があるかもしれません。

Q29: 「4 タップル」とは何ですか?

A29: NLP 用語の「4 タップル (4T)」は、ある個人が特定の瞬間にもっている内的経験を表出 (モデル化) するもので、「4T = VAKO」の方程式が使われます。(なお、「タップル (Tuple)」とは「?個の元素からなる集合」という意味です。) この式は、人間は、どの特定の瞬間においても、視覚 (V)、聴覚 (A)、触覚 (すなわち、フィーリング) (K)、嗅覚 (O) から成り立っている一式の知覚経験をもっていることを意味します (簡略化のために O には味覚 (G) が含まれています)。なお、NLP 用語では、これらの感覚経路は特別に「表出体系」と呼ばれています。人間は特定の瞬間において必ずしも VAKO のすべての要素について意識的であるとはかぎらないことを指摘しておく価値はあります。

4T は、1) 外部生成の要素、2) 内部生成の要素のいずれかから構成されることが可能であることが指摘できます。(1 と 2 の組み合わせから構成される場合もありますが、このケースはここでは議論されません。) 前者の場合、4T は外部世界から入ってくる (入力) データだけから成り立っているので、「e」 (外部を示す「External」の略字) を付けて「4Te」 として表されます。後者の場合は、内部の記憶から来くるデータだけから成り立っているので、「i」 (内部を示す「Internal」の略字) を付けて、「4Ti」 として表されます。

4T の概念のおかげで、「考え」、「思考」といった捉えどころのない概念を「内的行動」と定義することができるようになるので、「行動/思考」の区別のかわりに「外的行動/内的行動」の非常に明快な区別を用いることができるようなることは特記に値します。

この 4 タップルとは、私たちが現実を再構築するための窓、要素です。つまり、ある任意の時点でのある個人の内的体験は常に、この VAKO の構成要素の組み合わせから成り立っているととらえることが可能です。

北岡は、だいぶ以前瞑想の修行をしていたとき、 (西洋人の) 瞑想の先生に「私は、意識が自分の中に向かう場合と外に向かう場合があることはわかりますが、このインターフェイスの区別はどのようになっているのですか?」と聞いたことがあります。この先生は、「それは自分自身で経験して確認するように」と答えました。今振り返って考えると、この先生は弟子にそのインターフェイスを論理的に口で説明することはできなかったのだと思いますが、上記の「4Te」と「4Ti」の区別により、このインターフェイスが見事に口で論理的に説明できるようになっていることが判明します。このことは、今まで伝統的にはすべて修行者の経験則だけに頼り、その師匠も口で説明できなかったような東洋的な方法論を、西洋心理学の NLP は左脳思考的に、論理的に説明できるようにした数々の例の一つになっています。

Q30: フロイト以降の「セラピー心理学」と NLP と決定的違いを教えてください。

A30: この質問に関しては、このメルマガ全体に渡って、明示的または含蓄的に何度かフロイト以降の心理療法全学派と NLP の間の差異が指摘されてきていると思いますが、改めて以下に 3 点の主要な相違を要約します。

1. 「コンテント志向」 vs 「コンテントフリー」

確かに、「潜在意識」を発見したことに関してのフロイトの偉大な貢献は正当に評価される必要がありますが、同時に、「もはや存在しない過去」にトラウマ (精神的外傷) の原因を見つけ出そうとする彼の方法論の限界も明らかになっています。フロイト以降、西洋では、ゲシュタルト、ヒューマニスティック サイコロジー、交流分析 (TA)、エンカウンター、プライマル、リバーシング等の広範な心理療法の学派が精神分析に取って代わるかまたは超越するものとして創始されましたが、これらの学派は、結局のところは、「コンテント志向」のセラピーで、クライアントに過去のトラウマを認知的に (ゲシュタルト、ヒューマニスティック サイコロジー、交流分析等の場合)、または情緒的および心理的に (エンカウンター、プライマル、リバーシング等の場合) 再現なく何度も再体験させようするという意味において、精神分析に似た限界性をもっていることが判明しました。

言い換えれば、これらすべての現代の心理療法の学派は、(もはや存在しない) 過去のトラウマの原因がいったん見い出されて、再体験さえされれば、これらのトラウマは永久に治癒されるだろうと素朴に信じ、コンテント レベルを超えることができませんでした。

その一方で、(もちろん、ミルトン H エリクソンとパロ アルト グループのさらに早い時期の貢献を忘れることはできませんが) 心理学の歴史上初めてこのコンテント レベルを超え、人間行動のプロセス (または文脈) レベルに登り、クライアントの望まない行動を支配しているパターンと規則を扱って、彼らがさらに幸福に感じ、自身にさらに満足できるような変革をもたらし始めたのは NLP でした。ミルトン H エリクソン、パロ アルト グループ (すなわち「ブリーフ セラピー」派)、NLP の心理学はすべて、従来のセラピーのコンテント志向と対比した「コンテントフリー (内容とは無関係)」の方法論を使っています。

ちなみに、NLP は伝統的な心理療法の学派とはまったく異なったレベルにあり、それらすべてを超えていることは、NLP の誕生後に新たに確立された重要な、影響力をもつ心理療法の主要な学派を見つけだすことができないという単純な事実から明らかになります。同じ限界をもっている新しい心理療法の学派が NLP がコンテント レベルを超越した後にも創始される必要性と理由がもはやいっさいなくなったわけです。(この意味では、欧米では、精神分析だけではなく心理療法も現在、「死語」になりつつあります。)

2. 「Why」 vs 「How」

これは、上記の 1. で指摘した相違とも関連していますが、NLP 以前の「コンテント志向」のセラピーは、常に「今の問題がなぜ (Why) 起こっているか」に焦点を合わせ、今起こっている問題の原因を遠い過去のトラウマ (精神的外傷) に関連した経験の (場合によっては無意識に追いやられた) 記憶に見つけ出そうとする傾向が非常に顕著です。一方で、NLP は「今の問題がどのように (How) 現時点で起こっているか」にだけ焦点を合わせて、もはや存在しない過去の詳細に原因を求めるといった、「最初から負ける運命にある、際限のないゲーム」をプレーしようとはいっさいしません。

3. 「セラピスト依存」 vs 「自分自身のセラピスト」

本メルマガの第 4 号で、北岡は以下のように書きました。

「[アンソニー] ロビンスはその『アンリミティッ ド パワー』 (邦訳タイトルは『あなたはいまの自分と握手できるか』のようです) で、既存の心理療法の学派は、内部に蒸気圧力が溜まってきているやかん (クライアント) の蓋を開こうとするものだと喩えています。この場合、圧力が解放されたときクライアントは気分よく感じますが、蓋が一人でに再度閉まってしまい圧力が再び溜まる度に、繰り返して 2 週間毎に同じセラピストのところに戻っていく必要があります。他方、NLP で可能なことは、ジュークボックスのメカニズムに類似しています。仮にボタン A を押したときに聞きたい音楽が流れ、ボタン B を押したときに聞きたくない音楽が流れるなら、ボタン A を押すたびに聞きたい音楽が流れ始めるように、内部配線を変えることができます。または、聞きたくない音楽が乗っているディスクを取り払って、聞きたい音楽の新ディスクを乗せ換えることが可能です。NLP が達成できることは、まさにこのような私たち人間の脳のプログラミングの「配線変え」というわけです。」

すなわち、NLP 以前のセラピーの場合は、クライアントは、セラピストによって一定の解放感が得られた後も、同じような問題が形態を変えながらもずっと残り続けるので、セラピストのもとに何度も戻っていかねばならず、「セラピスト依存症」は克服できませんが、NLP の場合は、ファシリテータ (ここでは「クライアントの中に新しい変化を引き起こさせる人」という意味です) はクライアントが上記の脳の配線変えを自分自身達成できるような NLP テクニック演習を与えるので、クライアントは (それらの演習をある程度自分で反復練習する必要はありますが) 他のセラピストには依存しない、自立した「自分自身のセラピスト」になることを支援します。

Q31: 最近知られてきている「ブリーフ セラピー」は NLP と関係がありますか?

A31: 「ブリーフ セラピー」 (「短時間療法」とでも訳すべきかと思います) と NLP には密接な関係があります。

北岡の知るかぎり、「ブリーフ セラピー」は、主にパロ アルト グループのジョン ウィークランド等が公式に使用し始めた用語だと思いますが、ウィークランド、ポール ワツラヴィック、ジェイ ヘイリ?等を始めとするパロ アルト グループ全体の典型的な方法論を形容するための呼称です。(なお、パロ アルト グループとは、1950 ? 60 年代にグレゴリー ベイツンによって指導されていた、カリフォルニア州パロ アルトにあった「精神研究所」の研究者グループのことを指します。) もちろん、催眠療法の最高権威とされているミルトン H エリクソンの手法もブリーフ セラピーと呼ぶことができることを忘れてはいけません。

歴史的には、NLP は、エリクソンを父としていて、またもう一人の父 (ベイツン) のもとでパロ アルト グループと兄弟関係にあるので、さらに方法論的には、エリクソン、パロ アルト グループ、NLP はすべて「コンテント フリー」の傾向が顕著なので、ブリーフ セラピーと NLP は密接に関係しています。

ちなみに、国内でセラピーに関わっているある方が北岡に「最近は NLP はもう食傷ぎみなので、今後これからはブリーフ セラピーがポピュラーになる」という意味のことをおっしゃったことがありましたが、歴史的には、欧米では、ブリーフ セラピーの方がずっと早い時期に出現していて、NLP はずっと後に生まれたので、この方のご意見は興味深いと思いました。北岡は、個人的には、「NLP の全貌」は国内の方々にはまだ到底伝わっていないと考えています。そのためにこそ、北岡は昨年から国内で NLP 活動を本格的に開始し、またこのような挑発的なタイトルのメルマガを執筆してきているわけです。

Q32: 変性意識とは何ですか?

A32: 「変性意識状態」とは、「Altered States of Consciousness」の訳語ですが、北岡は、この用語には、非常に広範なコンセプトの意味合いが含まれていると思います。たとえば、催眠、トランス、夢、明晰夢、入眠時意識、白昼夢、幻覚、幻聴、幻想、恍惚感、酩酊状態、リラクゼーション、アンカーリングで呼び出される意識状態、ゾーン、SDMLB、4Ti 等はすべて、何らかの意味での変性状態と定義することができる、と北岡は考えています。

トランスパーソナル心理学者のチャールズ タートは、ある人の通常意識は別の人の変性意識であるかもしれず、その差は相対的である、と言っていますが、この指摘は非常に興味深く、深く考察する必要があると思います。

Q33: 「催眠」を定義してください。

A33: 「催眠」状態は、狭義の意味では、舞台催眠術が被験者にかける非常に深い「夢遊病者」的な、ゾンビー (無言無意志無反応の人間) のような状態と定義できますが、広義の意味では、上記の Q32 に列挙されているコンセプトすべてを意味しうる、と北岡は考えています。なお、北岡は、おそらく最も簡単な催眠の定義として「『今、ここ』ではないものはすべて催眠である」という公式を使ってきています。

Q34: 眼球動作パターンは世界中で普遍的ですか?

A34: NLP 共同創始者のリチャード バンドラーとジョン グリンダーは、ある個人の眼球動作パターン (Eye Scanning Patterns) によって、その人がその時点でどのタイプの表出体系 (知覚経路) にアクセスしているかが判定できることを発見しました。

すなわち、視覚情報にアクセスする際は、私たちの眼球は上方に動きます。さらに、左上方に眼球が動くと、記憶イメージにアクセスしていることを意味します。右上方に眼球が動くと、今まで見たことのないイメージを構築していることを意味します。聴覚情報にアクセスする際は、眼球は水平方向に動きます。左水平方向に眼球が動くと、記憶された聴覚音にアクセスしていることを意味します。右水平方向に眼球が動くと、聞いたことのない音を構築していることを意味します。

眼球が、左下方に動く場合、個人は「聴覚デジタル」情報、すなわち言葉にアクセスしていることがわかりました。この場合は、心的に自分自身に話しかけています。最後に、触覚情報にアクセスするには、眼球は、右下方に動く必要があります。

このパターンは、ごくまれに左利きの場合に水平左右方向に反転することがありますが、日本人の場合もこの標準パターンに当てはまります。グリンダーによれば、スペインのバスク人だけは、水平方向のパターンがこの普遍的法則に合致しないということです。この理由は、バスク人の子供たちは両手利きの形で育てられる事実にあるようです。(北岡自身、これまで過去のワークショップ等で「スペインのカタロニア人だけが例外」と言ってきていましたが、これは北岡の記憶違いでした。)

Q35: 「ダブルバインド」とは何のことですか?

A35: 「ダブルバインド」は、「二重拘束」の意味ですが、20 世紀で最も重要な思想家の一人であり、また「NLP の父」でもあるグレゴリー ベイツンが提案したコンセプトとして広く知られています。二重拘束は、単一の論理レベル (たとえば、特定の問題の内容または詳細のレベル) にとどまることを強いられ、逃げ場のない悪循環または「終わりなきゲーム」に陥っている状態として定義されます。

二重拘束の単純な例は、母親がその子供に「自発的でありなさい」と言うときに見い出されます。この命令に従うためには、その子供は命令を基に「自発的」になる必要があるので、自発的ではなくなります。この意味で、その子供は 、自発的であろうとしてもしなくても、いずれの場合も、母親の意志を満たすことが決してできない逃げ場のない状態に陥っています。同様に、母親が、あまりにも依存している子供に「あまりおとなしくし過ぎないように」と言うときも、子供はその命令に従うために母親に背くことが要求されているという意味で、その子供には二重拘束が課せられています (ポール ワツラヴィックによる「人間コミュニケーションの語用論」 (1967 年)、その他の著を参照してください)。

ベイツンの指導下のメンタル リサーチ インスティチュート (精神研究所) の研究者たち (すなわち、パロ アルト グループ) は、このような二重拘束に陥った子供たち ( そのような子供は通常、「もしそうしたら、怒られるだろう。もしそうしなかったなら、やっぱり怒られるだろう」と感じます) は、その二重拘束からの逃避手段として、たとえば外界とのすべてのコミュニケーションを閉ざす等の統合失調症の行動を提示し始めると主張しながら、統合失調症の主な原因を究明しました (ベイツンおよびその他著の論文、「統合失調症の理論に向かって」 (1956 年) を参照してください)。

Q36: いわゆる「悪循環」にダブルバインドが関与しているということですが、この点をさらに説明してください。

A36: 「悪循環」に陥っているときは、「あることをしたら、だめだろう。そのことをしなかったら、やはりだめだろう」という「終わりなきサークル」を再帰的に循環しているという意味で、ダブルバインド状態にいると定義できると思います。

ちなみに、グリンダーとバンドラーは、このような悪循環に陥っていて、常にパニック状態になってしまう人々を見て、その人たちは、外的環境の条件がどのようなものであれ、常に一定の「パニック」という外的及び内的行動を、いついかなるときにおいても首尾一貫して発揮できるという意味のおいて、どの球場のマウンドに立っても常にコンスタントな成績を上げられるプロの天才的な投手のケースと同じように、そのようなパニック患者は一種の「天才」ではないかと見始めました。(この発想の転換は、NLP では「リフレーミング」と呼ばれています。) その上で、グリンダーとバンドラーは、そのような患者が、それまで不適切な内的体験にアクセスするために使っていたまったく同じプロセスを使って、今度は本人の行動の選択肢がさらに広がるような、今までとは異なる、さらに適切な内的体験にアクセスすることが可能になるように支援して、パニック症状を克服することを可能にしました。すなわち、同じプロセスを使って、悪循環を「良循環」に変えることが可能になったのです。

なお、この方法は、フロイト的に過去のトラウマ的な経験に関して原因を詮索する必要がまったくないので、ごく短時間 (場合によっては数分内) で達成可能な「ブリーフ セラピー」的方法です。また、この同じプロセスを使用しても、適用のし方を違えると、まったく異なる両極端の結果が生まれる事実は、ベイツンのいう草の三段論法と標準の三段論法との違いと密接に関連しています。(草の三段論法については、本メルマガの第 3 号を参照してください。)

Q37: ダブルバインドの状態を認知的な (いわゆる「意思」) 力だけで克服することは可能ですか?

A37: これは非常におもしろい質問ですが、これが可能である事例が北岡に起こったことがあります。今から 12 年くらい前だと思いますが、それまで北岡は何度か禁煙を実行してきていましたが、またいつしか再び喫煙の習慣に戻っていました。北岡は、当時英国ロンドン市に住んでいましたが、深夜のテレビ番組として、喫煙派と禁煙派の両陣営に分かれた激しいグループ討論が行われているのを見ていました。そのうち、両陣営のくだらなさすぎるレベルの討論内容に本気で嫌気がさし始め、吐き気を催したほどでした。そのとき、北岡は、どのようにすればこれほどくだらない意見しか言わない両陣営両方を超越できるのかと真剣に熟考し始めました。しばらくして、北岡は、「もしこのままタバコを吸い続けたら、必然的に論理的に私は喫煙派の一員としてとどまらざるをえないが、もしタバコを吸わないでいたら、禁煙派の一員である可能性とともに、喫煙派と禁煙派の両方を超えたポジションに立つ可能性もありえる。しかし、少なくとも、タバコを吸い続けたら、この両義的なポジションは取ることは絶対不可能である」という認識論的な論理的結論に達し、タバコを吸わないことに決定しました。その後、北岡は 12 年間一度もタバコを口にしていません。

Q38: リフレーミングとは何か説明してください。

A38: 「リフレーミング」 (「再枠組み」) は、簡単に言うと、「完全に異なった意味をもつように、内容 (コンテント) を別の文脈 (コンテキスト) の中に置く」ことを意味する NLP 概念です。この典型的な例として、「このガラス コップの水は半分空である」を、現実の状況をまったく変えないまま、「このガラス コップの水は半分入っている」と「リフレーム」することができます。

広義の意味のリフレーミングは、私たちの日常生活のいたるところで見い出すことができます。顧客を説得しているセールスマンがこのテクニックを使っていると言えるかもしれません。政治家は、選挙民からさらに多くの票を獲得する手段としてリフレーミングが非常に得意であるように思われます。マーケティングのキーワードである「ポジショニング」は、リフレーミング以外の何ものもでもありません。実際、マーケティング活動の全目的はこの一つの語に還元できます。さらに、私たちの人間コミュニケーション全般は、本質的には、2 人のコミュニケータがまったく同じである単一の現実についてのそれぞれの「リフレーム」した解釈バージョンをお互いに受け入れさせようとしていることで成り立っているのかもしれません。

リフレーミングの原則は、「文脈と内容」と「チャンクアップとチャンクダウン」 (本メルマガの第 5 号、セクション 2 を参照してください) の観点から見ると、最もよく理解することができます。

Q39: NLP は、どのようにスポーツ選手のパフォーマスを上げられるのですか?

A39: スポーツ選手のパフォーマスを上げるための主な NLP テクニックは、スポーツ選手を変性意識の一種である「ゾーン」という状態に瞬間的に導くことのできる「アンカーリング」テクニックです。この「ゾーン」は、アーネスト L ロシが提唱している「SDMLB (State-Depending Memory, Learning and Behaviour)」 (「状態依存の記憶/学習/行動」) とほぼ同じものですが、該当のスポーツ選手が過去に獲得してきているピーク パフォーマンスに関連した記憶、学習、行動全体がある特定の状態の中に関連付けられているので、そのスポーツ選手は、その状態にさえアクセスできれば、ピーク パフォーマンスを発揮するために必要な過去の記憶、学習、行動全体に瞬時にアクセスできることになります。これらの過去の記憶、学習、行動はすべて、通常学習済みで、すでに無意識化されているので、本人は意識的にパフォーマンスについてあれこれ考える必要はありません。

また、サブモダリティ テクニックは、スポーツ選手の「イメージ トレーニング」能力向上に最適なテクニックです。

なお、最近のプロ テニス界の例を挙げると、男子テニス プレーヤーのアンドレアガシは、一度世界ランキング 100 位以下まで落ち、引退まで考えたようですが、その後、欧米でカリスマ的存在にまでなっている NLP トレーナーのアンソニー ロビンスの支援のおかげで、再び 4 大トーナメントで優勝することができるようになりました。北岡は、ロビンスのプロモーション ビデオを見たことがありますが、その中で、アガシは、彼のおかげで再度優勝できたと、ロビンスを強く推薦していました。

Q40: NLP は、どのようにビジュアル アーティストのパフォーマンスを上げられるのですか?

A40: 北岡の見るところ、ビジュアル アーティスト、映画監督、写真家、ビジュアル広告制作業者のような人々のパフォーマンス向上には、サブモダリティ テクニックが最適なテクニックだと思います。サブモダリティ テクニックの詳細については、本メルマガの第 9 号、セクション 3 を参照してください。

Q41: 変性意識の 1 形態である明晰夢 (ルシッド ドリーム) に興味があるのですが、この体験をさらに強くもつためには NLP のどのテクニックが有効ですか?

A41: この目的に関しても、NLP のサブモダリティ テクニックが最適なテクニックだと思います。サブモダリティ テクニックの詳細については、本メルマガの第 9 号、セクション 3 を参照してください。

ちなみに、最近、見たい夢をコントロールできるという装置が玩具メーカのタカラ社によって開発されたようです。商品名は「夢先案内装置: 夢見工房」で、この装置に見たい夢に関する写真を貼り付けて眠りについた後、見たい夢に関連して予め録音していた音声内容と夢見を促進する香りがレム睡眠時に刺激として、寝ている本人に情報入力されて、求める夢に本人を誘導する、という装置のようです。装置としてはまだ初歩的な感がありますが、アイデアとしては、今後、明晰夢を見るための訓練装置に開発発展していける可能性は秘めていると思います。

Q42: 周辺視野について説明してください。

A42: 通常、私たちは「中心視野」しか意識していないようですが、場合によっては「周辺視野」も意識化することもあるようです。NLP では、さまざまなテクニック演習を通じて、自然と「周辺視野」力も養われるようになります。特にNLP の「カリブレーション」では、コミュニケーション相手の無意識的な身振り、仕草、動作等をピックアップできる能力が開発され、それと同時に周辺視野力も向上するように思われます。この「中心視野」と「周辺視野」の対比は、NLP の「内容 (コンテント)」と「文脈 (コンテキスト)」の対比とも密接な関係があるように見えるのは、非常に興味深いことです。

Q43: カリブレーションとは何ですか?

A43: NLP では、「カリブレーション」は、進行中のコミュニケーションで相手の反応を読み取る方法のことです。コミュニケートのうまい人は、相手の内的反応について先入観、思い込みをもつかわりに、進行中の状況で、相手の微妙な内的反応を読み取ることができる人です。

たとえば、ある生徒が自分の「混乱」したフィーリングについて喋るたびに、眉をしかめ、肩の筋肉を緊張させ、歯を軽く噛み締めることに教師が気づいたとします。後で、教師が、同じ生徒が授業中にこれらの同じシグナルを示していることを観察した場合は、教師は、その時点で生徒が「混乱」を経験しているという証拠を得たことになり、これに対して適切に対応することができます。これらの種類の観察ができるように知覚技能を磨くことが、対人コミュニケーションにおいて極めて重要な要素になります。

NLP では、カリブレーション力を向上させるためのテクニック演習がいくつか用意されています。

Q44: 「無意識的有能性」を説明してください。

A44: NLP によれば、どのような人間の技能にも、4 段階の能力があります。これらの概念は、学習プロセスの理解に非常に役立ちます。

自動車の運転の例を使うと、これら 4 段階の能力は、1) 車の運転法がまったくわからない段階である「無意識的無能性」、2) 自分がうまく運転することができないことに気づくようになる段階である「意識的無能性」、3) うまく運転するために継続的に意識的な注意を払う必要がある段階である「意識的有能性」、4) 脇に座っている友人に話しかけながらでも問題なく運転することができる、すなわち、車の運転のプロセス全体が無意識的 (または、機械的) になる段階である「無意識的有能性」、です。

いわゆる天才とは、それぞれのプロの分野で能力の最終段階、すなわち無意識的有能性のレベルに到着した人たちであると言えます。

これらの概念は、呼吸、食事、消化、歩行、思考、会話、科学分野の研究、新しいプロ技能の獲得、さらには、悟りを開いた後の日々の活動の対処法まで、さまざまな人間の身体/心理的活動に普遍的に適用することができます。

Q45: NLP では、「天才」はどう定義されていますか?

A45: NLP、特に「無意識的有能性」の観点から言えば、天才 (普通の意味でだけではなく、母国語を話したり、自動車を運転したり、靴の紐を結んだりすることに関しての「天才」も含めて) とは、無意識的有能性の段階に到着することに成功した人々のことです (この段階は、「該当の目的のために必要な習慣的な心身上のプロセスを無意識的または自動的にすることに成功した段階です)。 このため、自分が欲することを達成することを妨げている自分自身の習慣に気づいた後、いかなる人間をも天才にならしめるような心的プロセスを採用することで、「個人的な天才」になることは可能です。(この目的のために、NLP の個人編集テクニックが極めてパワフルであることが判明します。)

仮に心臓の鼓動、呼吸、消化、歩行、会話、筆記等に関与している意識的、無意識的人間活動の範囲全体を念頭に入れるとしたら、いわゆる天才と凡才の差は、おそらく、人間活動の全領域のごく小部分 (たとえば 1% 以下) しか占めていないと言えると思われます。

Q46: NLP の言う「成功のための 3 ステップ手順」を説明してください。

A46: 「成功のための 3 ステップ手順」は、(1) 自分の「目的」 (何を達成したいか) を確定する、(2) 知覚鋭敏性を強化する、(3) 柔軟でいる、の 3 ステップから成り立っています。

たとえば、対人関係においては、まず相手の人から何を得たいか、または何をその人に伝えたいかを定義する必要があります。ここで、人間の脳は人工の熱探知追跡ミサイルとまったく同じように機能するので、まず自分のマインドで自分自身の明確な目標をもつ必要があります (マクスウェル マルツ著の「サイコサイバネティクス」を参照してください)。この目標は、知覚ベースの基準で設定される必要があります。言い換えれば、自分の目的を達成したときに自分が見て、聞いて、感じていること等で表される必要があります。

次に、相手の人とのコミュニケーションにおいて自分自身の知覚 (知覚経路) を使って、自分の目的を達成しているかどうかをチェックします。(たとえば、相手の人の顔、首、手、足の「極微筋肉動作」、呼吸の深さと位置、瞳孔の大きさ等を検出 (つまり、カリブレート) できるように自己訓練することが可能です。)

知覚鋭敏性は、「ダウンタイム」にいるときに最低か、またはおそらくゼロである一方で、「アップタイム」にいるときに最高になることに留意してください。

最後に、自分が欲するものを手に入れるまで、自分の行動を変えることができる柔軟性が必要になります。

上の手順の 3 番目のステップである柔軟性については、「最小必要多様性の法則」の概念が関連性があります。また、特定の状況でたった 1 つの選択肢しかもっていないなら、行き詰まります。2 つもっている場合は、ジレンマに陥ります。「自由」であると言えるようになるのは、3 つ以上の選択肢をもてるようになったときだけです。

仮に特定の状況で他の人より多くのことに気づいている場合、他の人よりも多くの選択肢をもち、さらに柔軟であるので、状況をコントロールできるようになるのは明白なことです。

Q47: NLP の言う「最小必要多様性の法則」を説明してください。

A47: 「最小必要多様性の法則」は、どのようなシステムも (人であろうが機械であろうが)、すべての他の条件が同じである場合、最も広範な対応範囲を有している個人 (人または機械) がそのシステムをコントロールする、と規定します。

すなわち、自分がいる状況をコントロールする傾向があるのは、その中で最も多くの選択肢をもっていて、最も柔軟な個人です。

また、この法則は、そのトレーニング コースの一つで NLP の共同創始者の一人であるジョン グリンダーが述べた次の内容と密接な関係があります。「たった 1 つの選択肢しかもっていないなら、行き詰まっている。2 つもっている場合は、ジレンマに陥る。『自由』であると言えるようになるのは、3 つ以上の選択肢をもてるようになったときだけだ。」

さらに、これは上記の FAQ 49 にある「成功のための 3 ステップ手順」とも関係があります。

Q48: 「アップタイム」と「ダウンタイム」とは何ですか?

A48: 私たちの内的経験 (NLP 用語で言う 4T) は、世界から入力されるデータ、すなわち、知覚ベースの情報、または、合成データ、すなわち、記憶に保存された要素の組み合わせ、のいずれかから成り立っていることが指摘できます。(「外部生成の要素」と「内部生成の要素」の両方をもつ 4T が存在することもありえますが、このケースはここでは議論されません。) 前者の場合は、私たちは「今ここ」の世界を経験していると言うことができる一方で、 後者の場合は、私たちは自分の頭の中で「幻覚」をもっていることは確かです。

自分の知覚経路がクリーンで、開いているとき、その人はアップタイムにいると言われます。すなわち、その瞬間におけるその人の 4T は知覚ベースのデータだけから成り立っています。特定の瞬間の 4T が内部生成の要素だけから成り立っている場合は、その人はダウンタイムにいると言われます。(前者の 4T は、「e」 (外部を示す「External」の略字) を付けて「4Te」 として表され、後者の 4T は、「i」 (内部を示す「Internal」の略字) を付けて、「4Ti」として表されます。)

この同じ区別が瞑想家によって非常に異なった用語で論じられてきていることを指摘するのは興味深いことです。すなわち、本物の瞑想家は、異口同音に、私たちは過去からの投影 (すなわち、ダウンタイム) に対して「反応」するのではなく、「今ここ」の瞬間に「対応」する必要がある、または、現実をあるがままに見るためには私たちは自分のマインド (内的な幻覚) を落とす必要がある、と示唆してきています。

Q49: NLP の言う「首尾一貫性」を説明してください。

A49: NLP では、特定のシステムの異なる各部分の間の整列または調整を意味する「首尾一貫性」という概念が使われます。どのようなシステムでも、そのすべての部分が首尾一貫しているとき、すなわち、互いに整列しているときに、最高のパフォーマンス レベルで機能できることは容易に理解できることです。

ある人の典型的な首尾一貫性の欠如の例は、その人が、左右に首を振りながら「はい、私はまったくあなたと意見が一致します」と言うとき、または、その人がほとんど聞きとれない声で「私は非常に自信があります」と言うときに観察することができます。典型的には、相手にこのような矛盾に見出す人々は、困惑を覚えるか、または (意識的、無意識に) その人の言うことを信じなくなります。

仮に効果的で、影響力をもつことを望むなら、私たちは、自分の他人とのコミュニケーションで首尾一貫している必要があります。

興味深いことに、このコミュニケーション概念の「首尾一貫性」は、精神主義的な意味ももっています。すなわち、上記に示された首尾一貫性は「同時的首尾一貫性」と定義され、この種の首尾一貫性は通常、偉大な瞑想家が見せる非常に顕著な局面の一つです。一方で、これらの瞑想家は同時に、「連続的首尾一貫性の欠如」を見せる傾向があります。すなわち、彼らは、「今ここ」の瞬間にい続けることに集中しきっているので、今日言うことが昨日言ったことと抜本的に矛盾する場合があります。他方、「今ここ」の経験をまったく見逃している「凡人」は、皮肉なことに、「連続的首尾一貫性」を維持しようとすることにあまりにも固執しすぎている場合があります。

Q50: 「学習」を NLP の観点から定義してください。

A50: NLP の観点から言えば、「学習」は、「試行錯誤を通じて意識的に確立された特定の心身上の習慣を無意識的、自動的にするプロセス」と定義することができます。 (これらの習慣は、NLP 用語で言う「TOTE」のプロセスと同一視できることに留意してください。)

学習の美点は、いったん私たちがあることを学んだら、その後は、同じ試行錯誤をもはや繰り返す必要がなくなる点にあり、この学習の局面は「コロンブスの卵」の比喩と密接な関係があります。

「精神の生態学」でグレゴリー ベイツンは、「論理タイプの理論」を使って、「(あることの) 学習の学び方」、「(あることの) 学習の学び方の学び方」といった異なるレベルの学習を論じています。

興味深いことに、低い (または粗野な) レベルでの (あることの) 学習で大きな進歩を果たすことは (非常に容易なことではないにしても) 比較的容易である一方で、高い (または微妙な) レベルで極微の進歩を果たすことは非常に難しいことであるように思われます。言い換えれば、初心者のテニス プレーヤーが印象的な進歩 (たとえば、学習全体の比率で言えば、0% から 60% までの進歩) を遂げるために必要な量と同じ量の努力とエネルギーが、その人がトップのテニス プレーヤーになる (たとえば、99% から 99.9% までの進歩) ために必要になるように思われます。学習レベルのこの相関関係は、極めて興味深い現代的な概念の「フラクタル」の観点から説明できるように思われます。

ちなみに、最も偉大なフォーミュラ ワン レーサーの一人であった故アイルトンセナは、サーキットのコーナーに入るとき常に、自分が過去に学んだドライビング プロセス (プログラミング) のうち、その特定のコーナーに最も合っているように見えるプロセスを自動的に立ち上げることができたという意味で、非常に偉大であったが、実は、すでに立ち上がった自動的プロセス (プログラミング) がなんらかの理由で充分適切に機能していないことを発見するたびに、コーナリングの真最中に、直ちにそのプロセスを意識的に停止させた上でそのコーナーにより合った他の学習済みのプロセスに切り替えることができたという意味で、さらに偉大であった、と言われたことがあります。(北岡が本メルマガの第 4 号で言及した CD-ROM の比喩の観点から見れば、この学習メカニズムは最も適切に理解されるでしょう。)


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